退官記念講演会

桜が咲き始めた頃の年度末、定年を迎えて退官される先生方の記念講演会が行われた。

一般に、学内外において著名で、業績がある先生の場合は、普段の講義で使われる教室で行われる単なる講演とは異なり、大きな会場を借りて休日に行われる。その規模は、退官される先生の業績や人望によるところが大きく、日本全国から同僚や弟子、卒業生が参集することもある。

 

先日、大学近くの会場で行われた退官記念講演会は非常に盛大であった。

講演後に贈られた在校生からの花束には、感謝と敬意が込められていた。

 

さて、うちの研究室の教員はどうだろう。まだ定年までには時間があるとはいえ、准教授や助教がそもそも教授になれるか怪しいものだし、教授は大学着任後の実績は一般的な助教以下だ。数名のテクニシャンを雇う能力があっても結果を出せないのだから、研究者とは到底言えない。「研究がだめなら人望は」というと、パワハラ気質で差別もちらほら。博士課程への進学を目指して研究室に入った先輩方は、1年も持たずに方向転換し、就職へと進路を変更することから、人格者とは言い難い。

そう思うと、いずれ迎える退官記念講演会は行わず、ひっそりと隠居した方がいいような気もする。見栄っ張りの教授のために、准教授が大きな会場を借りたとしても参加する人はその時にいる研究室のメンバーぐらいで、卒業した先輩方は9割方来ないだろう。苦肉の策として、教授想いの准教授がさくらのアルバイトを雇うのかもしれない。