流行の最先端は稀有に映る
うちの研究室の教員たちのファッションは、お世辞にもお洒落とは言い難い。
教授はスーツ姿が多いものの、それ以外の時は見慣れたシャツやポロシャツのヘビーローテーション。
准教授はヨレヨレのシャツばかりという印象である(上に白衣を着ていることがほとんどなので実は違うのかもしれない)。
助教はTシャツに短パンで今から海水浴にでも行きそうな時もある。
学生は学生で、ジャージで一日過ごす人もいるので、研究室全体としてファッションには疎い。
それはそれで、理系の研究室だから仕方のないことだ。
しかし、そんな研究室でも時代の最先端を走ることがある。
それは紫外線対策である。
准教授から始まったことであるが、今では教授も美意識が高まっているのか、昼休みに学食に行く時には2人並んで日傘を差す。
お洒落とは程遠い2人の姿は異様に映る。
それでも、研究でも、ファッションでも、時代の最先端をいく者は何かと後ろ指を指されてきたはず。爆売れという日傘業界も2人をパイオニアとして拝みに来るに違いない。たとえ、日傘にフリルが付いていたとしても…。