学生実習 1

年号が変わった今年の長いゴールデンウイークも終わり、いよいよ学生実習の準備が本格化する時期になった。すでに朝礼などでは学生実習の話が出ているが、実際に手を動かし、結果をその都度報告しなければならない

「学生実習はいつから始まるのか?」

何も知らなければ来週ぐらいを予想するのではないか。

実習内容にもよるとは思うが、別の大学にいる高校時代の友達によれば、一週間前から始めることがほとんどだと言い、一度プレ実習を行い、問題がなければその後はもう本番らしい。そんな日程は、うちの研究室では考えられないことだ。うちの研究室が担当する学生実習は6月下旬から7月上旬にかけてであり、なんと2ヶ月近くも準備期間に充てるのが最近の習わしになってきた。

「なぜ、ここまで頑張らなければいけないのか?」

この問いに答えられる先輩はおらず、音頭をとっている准教授に従うだけなのである。「学生実習の前にプレ実習を行うだけでいいじゃん」と誰しも思うのだが、それでは研究室として面目が立たないようである。それならそれで、学生実習と同じ方法をプレ実習やその前のプレプレ実習でもさせればいいのに。その辺りの詰めの甘さは准教授ならではある。

 

准教授が赴任してきた当初は、学生実習には目もくれず、学生実習の期間中に実習室に来たかと思えば、実習で使用している研究室の機器を使いに来ただけだったらしい。「邪魔しに来たのかよ」と先輩たちの間で総突っ込みが入ったのは言うまでもない。

学生実習に掛ける准教授 ―― その理由は学生実習中と学生実習後にあるかもしれない。