学生実習 2

先輩方が学生主体で学生実習を回していた頃は、学生実習後の打ち上げは当然学生だけの飲み会だった。豪勢に山の上のホテルへ行った話なんていうのも聞いたことがある。

それが、大人の事情か、気まぐれかわからないが、いつの年度からか准教授が指揮を執り出してからは、打ち上げに「私も当然呼ぶんでしょ」と参加したがるようになった。そんなに学生の輪に入りたいのだろうか。

学生と密に接したいのは、学生実習後の報告にも現れている。7日間ある学生実習が始まると、その日が終了した後1時間以内に准教授宛てに「①3年生から受けた質問、②自分が困ったこと(準備不足あるいは不足の事態などで)、③3年生のトラブル、失敗、腹が立ったこと、④よかったこと」原文ママ)を報告しなければならない。報告を受けた後に准教授がまとめる手間や、研究室内の情報共有、報告忘れへのリマインドを考慮したら、研究室全体のメーリングリストで流した方が早いと思うのだが、あくまで個人宛に送らせる。

研究室の学生との接点 ―― これが、准教授が学生実習に掛ける理由の一つだろう。

 

ただ、この理由だけでは弱く、学生実習中こそが力を入れている理由ではないだとうか。

学生実習中、それぞれの班を回るのはいいが、目を付けた女子学生の班だけ滞在時間が長い。教員であっても人間だから好き好きがあるのはわかるが、あまりに露骨過ぎてその学生に申し訳なくなる。それだけならまだしも、「君、前に会ったことあるよね?」と平成も終わり令和になった時代に昭和臭が漂う口説き文句を学生実習中に言ってしまうのだ。学生側はどう反応していいか困惑せざるを得ない。

外見に違わず女好き ―― 准教授が学生実習を張り切る最大の理由に違いない。