2018年

2018年もあっという間に終わり、ついに2019年になってしまった。

研究室には、教員が3人、実験助手が4人、そして学生と大学院生が15名ぐらい在籍していることから、規模としては決して小さくはない。

まして、博士後期課程の先輩も数名いることから、研究室における年間の研究時間というのは、かなりのものである。

それにもかかわらず、2018年は論文が1報も雑誌に掲載されなかった。

それもそのはず、投稿さえしていないのだから。

Nature等のような、いわゆるビッグ・ジャーナルを狙ってデータを溜めている、という話も聞かない。

 

この研究室は一体2018年の一年間は何をやっていたのだろう。

 

元旦はさすがに来ていないと思うが、3日ぐらいから実験を始め、准教授等は普段の週末もほとんど研究室で白衣を着ている。

これほどまで研究に時間を費やしても、論文というのは出ないものなのか。

たしかに、教授がこの研究室に着任して以来、研究室の先輩方が出した論文は10年弱で3~4報しかない。

それも、准教授や助教が先輩方と二人三脚で出したものだ。

研究室内の研究費は大学内でもトップクラスと言っていたから、研究費が足りなくて解析ができない、というわけでもないようだ。

きっと生物系、しかも患者数が多数いる疾患を扱うような研究に関する論文を出すことは極めて難しく、それゆえ、1報でも出たときには新聞社を呼んで大々的に宣伝をしたり、「我は偉大な研究者なり」という態度をとったりすることができるのだろう。