話し合うこと
このブログでも紹介してきた通り、うちの研究室には数え切れないぐらいのルールが存在する。
大勢が多くの時間を共有する研究室において、多少のルールが必要なのは理解できるし、大学内のシステムが変わればそれに伴って変化していくことは当然である。
ただ、ルールを決めるなら、納得した上でないと守る気も起らないのが本音だ。
嫌なパターンで多いのが、頭ごなしに上から「これこれはこうする」的な一方通行のお達しである。
その多くは教授からの命令なので、裸の王国では従わざるを得ない(いや、従ったふりをせざるを得ない、といった方が的確か)。
最も嫌なパターンは、「ああだこうだ」と学生と教員で一緒に話し合い、結論が出たことがあっさりと覆ったり、話題にも挙がらなかったことが急に追加されたりすることである。
「時間をかけて話し合った意味は?」と疑問が湧くのだが、そんな思いはこの研究室では通用しないのだろう。
例えば、以下のメーリングリストのような感じだ。
----- Original Message -----
From: Associate Professor <yyy@opq-u.ac.jp>
To: <LAB@ml.opq-u.ac.jp>
Date: 2018-07-29 10:41:56
Subject: [ml-list 1390] 低温室のアガープレート
以下は昨日の朝礼で決まったことですが、いない人も結構いたので情報共有のためメールします。
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①低温室のアガープレートについて(特にカビプレートの処理)
②プレート作製者は名前、日付を書く(これは従来通り)。
③カビが生えたプレートがあった場合は第三者が無断で捨ててよい。その時点でのプレート保有者はプレートを全部ボックスから出し、ボックス内を水洗い洗浄と消毒をする。
④一度出したプレートはボックスに戻さない(目に見えないカビが生えかけかもしれないので)。
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最後の行は私の付け足しですが、昨日の話の流れから特に問題ないと思います。
早速ですが、未使用プレートのボックス(先週カビあり)をきれいにしますのでできれば本日中に、遅くとも月曜日正午までにプレートを全部出してください。
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署名
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十分な時間を使って話し合った後、なぜ自覚を持って勝手に付けたしができるのだろうか?
付け加えるにしても、プレートの保存場所をどうするのか明示しない中途半端なルールであるのももどかしい。
目に見えないカビが生えているかもしれないプレートは、通常の試薬が入った冷蔵庫で保管していいのか?
毎年のように増えていくルールは、新しく研究室に配属される3年生に時間をかけて准教授が説明する。
その時に配布するルールが辞典のような厚みになる日も遠くはないかもしれない。