定期試験

大学の学期は前期と後期に分かれており、それぞれの終わりにまとまった試験期間がある。

この定期試験は、前期だと通常7月末から8月にかけてあるが、大学によっては夏休みが先にあり、その後に定期試験をする。その場合、夏休みの終盤は試験勉強に充てざるを得ないので、快く夏を満喫できない。

うちの大学は前者であり、7月下旬から8月上旬に定期試験が行われる。

 

定期試験になると、研究室の教員たちが異様にいきり立つ

試験問題を作るのが面倒とか、採点が大変とか、そんな普通の理由からではない。試験監督でピリピリするのである。

実際に講義をしている科目の試験監督をするのだが、試験には補助として学生5、6人が動員される。

定期試験の開始が13時とすると、12時30分頃には研究室のお茶室に集合させられる。それからまず、くどくど注意点を言われ、次に、試験問題や解答用紙の枚数を数えさせられる。10部または20部の束にし終わると、定期試験が行われる講義室に出発する。不思議なことに、講義室までの廊下ではエレベーター内のように小声になる。

講義室に着き、受験生が教科書やノート、資料を鞄にしまい終わってから試験問題の配布作業に入るのだが、枚数を数えて束にしたのにもかかわらず、受験生への配布は1人ずつなのだ。1学年100人もいない学部だから、昨年単位を落とした上の学年を含め多くて120人ぐらいである。受験生に1枚ずつ配ったとしても、1人に付き1秒なら約2分間、2秒なら約4分。どんなに遅くなっても10分あれば完了する。

試験問題・解答用紙が2枚なら配布する補助は2人で十分だし、3枚なら3人、4枚なら4人で問題ないように思えるのだが、このときばかりは実験よりも定期試験の方が上位にくる。

しかし、実際に配るのは担当する列単位となる。教員たちが推す列毎に担当者を決めて配布するこの方法だと、問題用紙を確認した後に配らないと、どの用紙を配布したのかわかりづらい。現に、同じ用紙を配ってしまったことが過去にあったようだ。それがトラウマになっているらしく、集合時の最初の注意がやけに長いのである。

1枚ずつ配布するなら列を担当する方法ではなく、試験用紙や解答用紙で決めれば問題にならないはずだし、事前に数える必要もない。そもそも前から順に後ろの席へ回すようにすれば6人も不要なのだ。

他大学に通っている友人によれば、教員2人で100人ぐらいの試験監督をするのが普通らしい。

 

色々と改善の余地はあるものの、教員に提案するといった野暮なことはしない。

なぜなら、教員の中ではこの方法が1番であり、たとえ人数が多くかかっても、この方法で問題なくうまくいけば満足なのだ。教員の満足こそ、研究室を平穏に保つ特効薬なのである。