修論 3

卒論、修論、博論は、学生や院生の個人の物である。

ただ、理系の研究室においては、これらの論文に関わる実験は所属する研究室で主に行われて、その実験を指導する教員がおり、場合によっては研究資金として国の税金から支出されているから、必ずしも論文全部が個人の物という認識ではないかもしれない。

それでも、投稿論文とは異なり、全責任を持つのは卒論、修論、博論を執筆する学生や院生である。

 

しかし、うちの研究室ではちょっと違う。

修論 1で書いたように、修論にほとんど関与しない場合もあれば、修論の謝辞にまで教授のチェックが入る場合もある。

 

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謝辞というのは、先輩の修論を踏襲する人がほとんどではあるが、家族を入れたり、指導してくれた先輩や手伝ってくれた後輩を入れたり、と人それぞれだ。

それでも、教授は事細かに修正する。

例えば、准教授が直接的な指導教官の大学院生の場合、准教授、教授、助教の順に謝辞を書いたら、教授、准教授、助教の順になるよう修正が入る。

また、他の大学に異動された助教を謝辞に入れた場合、教授のチェックの段階で抹消される。きっと、仲たがいの結果の異動なのだろう。

このように返されると、教授の心情を察し、順番を変え、抹消助教への感謝は気持ちのみとなる。それはそうだ。謝辞で教授のご機嫌を損ねて修了できなくなったら、それこそ人生の終了だ。

ある種のパワハラみたいなものだけど、事を荒立てて異を唱える程、私たちはバカではない。